非現実的な光景。街中で巨大人形を燃やしまくる「バレンシアの火祭り」
美食や世界遺産など、さまざまな魅力を持つ、南ヨーロッパの国・スペインは、いつでもどこかでお祭りが開催されている「お祭り大国」でもあります。そんなスペインには、三大祭と称される特に有名なお祭りがあります。
その中のひとつが、バレンシアという街で毎年3月に開かれる「バレンシアの火祭り」です。今回は、その火祭りの様子をお伝えします。
迫力満点の「バレンシアの火祭り」とは
スペイン語では「Las Fallas de Valencia(ラス・ファジャス・デ・バレンシア)」と呼ばれる火祭りは、スペイン・バレンシアにて毎年3月15日から19日までの5日間に渡って行われます。
もともとはキリストの養父で大工である守護聖人サン・ホセを祭る祝日をお祝いするために、大工たちが木材などを燃やしたのが発祥とされています。そのため「火を付けて燃やす」ことがこのお祭り最大のイベントです。
そして、この火祭りで燃やされるのが、街のあちこちに建設された「Falla(ファジャ、ファリャ)」と言う火祭り人形です。ダンボールや発泡スチロールで造られたこの人形、なんと大きなものは5階建てのビルをも越すほどの大迫力。
この人形を最終日の夜、消防士や警察官の指導のもとで燃やすのが、火祭りのクライマックスです。
超巨大なものまである「Falla(ファジャ)」
バレンシアの火祭り開始から数週間前から、街のあちこちに「Falla」が飾られ始めます。このファジャ、ダンボールや発泡スチロールでできているとは思えないほど芸術性が高く、素晴らしい出来栄え。それもそのはず、約1年もの期間をかけて制作が行われます。火祭りが終わると同時に、次の火祭りに向けての動きがスタートしているということになりますね。
長期間のプロジェクトの結果作り出されたファジャは、芸術性の高さやいろんな角度からの出来栄え、そして市民や観光客の投票によってコンテストが行われます。この投票で1位に輝いたものだけが燃やされずに残されると言う仕組みになっているのです。
選ばれたファジャはその一部がバレンシアにあるファジャス博物館に飾られ残されるそうです。バレンシアを訪れたときは、必ずファジャス博物館も訪れることをおすすめします。